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鉢(浅鉢)縄文土器・晩期

縄文晩期(紀元前1000年~紀元前400年頃)
是川中居遺跡(青森県八戸市)
この縄文土器は縄文土器の中でも後期から晩期の作品である。青森県八戸市にある是川中居遺跡の出土品である。本作品と同様のものが重要文化財に指定されており、本作品と似た模様の作品が東京国立博物館に収蔵されている。この時代の鉢は大半が深鉢であり、浅鉢は数が少ない。本作品は2400年~3000年の時を経ているにもかかわれず奇跡的に無傷の完品である。底は丸く、裏面には雲形に文様が見られる。線は無理なく滑らかに刻まれていることから、おそらく土が乾く前に縄を転がして縄目をつけ、その後に雲形の模様を刻み、間を彫って浮き彫りにしたのだろう。縄文土器たる所以である。現代陶芸でも布を押し当てて布目をつけるので手法的には変わりがない。手に持つと彫り文様が滑り止の役目をし、単なる装飾という訳ではないようだ。内側は機能性を重視したのか滑らかに形成されており、装飾はない。微かに刷毛目のような模様が見えることから、内側に漆を刷毛で塗ったのかもしれない。縄文土器はいずれも見た目から想像するよりも軽く、この鉢も木製と思われる位に軽い。縄文土器は手慣れた専門家が作ったものであることを実感することができる。
